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【映画】ショーシャンクの空に|希望を持って、外の世界に出てみよう。

ショーシャンクの空に

つらさを自覚することが、最初の一歩。

主人公アンディが無実の罪で放り込まれたショーシャンク刑務所。

そこは、人権のじの字もないほど劣悪だった。

そんな過酷な環境での「希望」が、ひとつのキーワードになっている。

 

入るかどうか自分の意志で決められないのが刑務所だが、

何かに囚われて不自由を感じ、苦しんでいるのなら、囚人も同じだ。

 

私が中学まで育った田舎は、ものすごく過干渉で閉鎖的だった。

娯楽施設がひとつもない。本屋もない。時代的に当然ネットもなかった。

とにかく、やることがないので人の話ばかりしていた。

 

息苦しくてたまらなかった。

 

何もなくていいから、ただひとつ、大きな図書館があれば、

もっと豊かになれたのにと思ったりもする。

 

私は、あの町でずっと生きるのは無理だと思っていたし、

高校入学と同時に町を離れて下宿することが決まっていたので、

とにかく、それまで耐えようと思っていた。

ふるさとを離れることが「希望」だったのだ。

 

社会人になってから、「自由」を味わった。

しみついた田舎根性がさらけ出されて、恥ずかしい思いをしたこともあったが、

それでも、囚われない生活ができるのは幸せだ。

 

時々、田舎に帰ってみるが、いまだ本屋も図書館もない。

そして相変わらず、

「あそこは相続でもめている、あそこは孫が就職できないでいる…」

町の人は、他人の家庭事情を話すのが好きだ。

口の中に砂が入ってしまったような、ざらざらした気分になる。

美しい景色と、きれいな空気と、満開の星空が、ものすごくミスマッチだ。

 

今考えてみれば、私にとっては、田舎での幼少期は囚人みたいだった。

自分の力では、決して変えられない。あらがうので精一杯。

だから、外の世界に出ていくことが「希望」だった。

そして、外の世界には、思った通り「希望」があった。

 

たくさん本を読めた。色んな仕事を経験できた。親しい友達もできた。

面倒なことも時々起こるが、それは「自由」がもたらしたものではない。

裕福とは言えないけれど、衣食住の不自由はない。完璧に幸せだ。

 

なにかうまくいかない時に、原因を自分の中に探しがちだけど、

問題は「居場所」である可能性も、ゼロではない。

追い詰められてしまう前に、「希望」を持って、居場所を変えてみるのも

ありなのではないかと思う。

 

この映画は、悪党はとことん悪党に描かれている。

ハンカチをギリギリと噛みちぎりたくなるほど、憎たらしいのだ。

ラストシーンを観た今の気分を書くと、ネタバレになるので、

「ぜひ味わってほしい。」とだけ。

 

キャスト

出演:ティム・ロビンス, モーガン・フリーマン, クランシー・ブラウンほか

あらすじ

1947年、若くして銀行副頭取を務める優秀な銀行員アンドリュー・デュフレーン (アンディ)は、妻とその愛人を射殺した罪に問われる。無実を訴えるも終身刑の判決が下り、劣悪なショーシャンク刑務所への服役が決まる。Wikipediaより